日本の夏に、華やぎと清涼を-団扇

【日本の夏に、華やぎと清涼を】

美しい木版画を施した団扇は、文化3年の創業時より、榛原の人気商品となっています。
時代の趣向に合わせて、人気絵師が描いた図案を木版摺りし、職人による丹念な手仕事で一本一本仕上げて参りました。
こうして作られた団扇は、手に良く馴染んで大きな風を起こす夏の必需品として人々の生活を支え、同時にファッションアイテムとして愛好されました。

現在でも、その心を忘れず、団扇を店頭にご用意しています。
本日は、榛原で扱っている団扇の中から、木版摺り団扇と柄長小町に纏わる手仕事をご紹介いたします。

柄長小町

千代紙を貼った小ぶりの扇面と、長い柄が特徴の柄長小町。浴衣の帯にさしても美しい、榛原の人気商品です。

柄長小町

柄長小町の竹

材料となるのは、10月から1月にかけて南房総で伐採された良質の女竹です。極寒期に育つ竹は、虫が付かず、身がよく締まっているので団扇作りに適しています。この竹の皮を剥き、水洗いをしてよく磨きます。

格子文様の美しい半円の窓

竹の上端を、約30本に割いて骨を作ります。この骨を糸で編み、柄に挿し込んだ柳の枝に結び付けると、円弧状にしなった枝と糸で、格子文様の美しい半円の窓ができます。

胡粉を盛って丸みを持たせます

柄の反対の先端は空洞になっています。

胡粉を盛って丸みを持たせます

空洞部分に柳の枝を詰め、胡粉を盛って丸みを持たせます。

こうして、骨を整えた後、千代紙と和紙を両面から貼り、はみ出した竹骨を切りそろえ、ふちに糊付けした和紙を巻きます。

柄長小町

最後に、柄に焼印を押して完成となります。 竹の太さが一本一本異なるため、見当を付けながら扇面の裏に「榛原」の文字を入れます。 こうして、正岡子規が詩に詠んだ焼きじるしある榛原団扇が仕上がります。

鶏が鳴く あつまの江戸の はい原の 焼きじるしある 絹団扇かも
(明治31年「定本子規歌集」より)

胡粉を盛って丸みを持たせます

胡粉を盛って丸みを持たせます

木版摺り団扇

榛原では、江戸期以降に扱っていた人気画家の筆による団扇絵を、現代の趣向を加えながら木版摺りで復刻しています。
手仕事ならではの彩色と、繊細に伸びる竹が美しい品です。

木版摺り団扇

複雑に重ねられたグラデーション

団扇絵は、一枚ずつ職人が木版摺りで仕上げます。
一色につき一枚の版木を利用するため、ひと摺りひと摺り、版がずれないよう調整しながら、色を重ねてゆきます。
この精緻な作業を経て、和紙の上に複雑に重ねられたグラデーションが生まれます。

1ミリ幅に揉みながら割いてゆきます

骨は、冬に伐採された真竹から作られます。竹を幅10〜15ミリ、厚さ2ミリ程度の板状に割り、縦に刻みをいれてから1ミリ幅に揉みながら割いてゆきます。

一本一本団扇の裏紙に貼ってゆきます

この竹を十分に乾燥させて、一本一本団扇の裏紙に貼ってゆきます。およそ80本の骨を、和紙に等間隔に貼るのは、根気の要る作業です。

胡粉を盛って丸みを持たせます

完成した骨組みは、天井に渡したロープの上で乾燥させます。

骨組みを十分に乾燥させた後、木版摺りした扇面を正面に貼り、はみ出した竹骨を大きな鋏で切りそろえます。最後に糊付けした和紙を淵に巻き、柄を差し込んで完成となります。

木版摺り団扇

エアコンが普及した現代でも、手仕事の伝統を守り、作られた団扇には特別な品格が備わっているように感じます。
酷暑が予想されます今年の夏には、お中元の品としてもお勧めしています。
江戸庶民の間でも“内和”や“家和”という字を当てて、家内に平和をもたらす縁起物としていた団扇。
江戸っ子の粋なはからいに倣って、日頃お世話になっている方に、華やぎと清涼をお送りしては如何でしょうか。

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